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国家錬金術師×3=・・・ |
女三人そろうとかしましい、と、世間様では云うけれど。 国家錬金術師が三人揃うと、世間様ではどう云うんでしょう。 ※ 「そういえば……と鋼のは、どっちが身長が高いんだい?」 「「「・・・・・・は?」」」 爆弾発言をかました大佐は、エドワードの睨みつける視線も知らぬげに、いや絶対知ってて無視してるんだろうが、にっこりと笑っていた。 「ちょっとふたり並んでみてくれないか?」 「え? いいけど。――ほら、エド君」 「・・・・・・」 「エド君?」 「兄さん・・・・・・」 不思議そうにエドワードを見る、実に複雑怪奇な表情で動こうとしないエドワード。 にこにこ――いや、にやにや笑って見ている大佐。 「・・・もしかして」 とことこ、とエドワードの座っている横まで歩いて、は鋼の錬金術師を覗き込んだ。 「身長、コンプレックス?」 「云うな姉・・・」 わしわしと頭をかき乱して、エドワードはうなだれる。 (誰が身長コロボックル並だ・・・)と思っていても、口に出しては云わない。 だってだから。 つーか誰もそんなこと云ってもおらんが。 どうあってもと並びたくないらしいエドワードを見て、大佐が人の悪い笑みを浮かべた。 「・・・いいんだよ! 俺はまだ成長期途中なんだから!」 「当人が云うほど哀しいセリフは、それをおいて他にないな」 「ンだと!? だいたい、なんだってあんたいきなり俺と姉の身長なんて気にするんだよ!」 「あ? ああ――別に他意はないのだが」 大佐の笑みがますます楽しそうになったのは、気のせいだろうか。 むしろ他意ありまくりだろうが、と、誰かが心の中で突っ込んだ。 「たしかは、『肩に乗れるくらいおっきな人』と結婚するのが夢だってどこかで作文に書いてたなと思ってな」 「――!!!」 「きゃああああ!? ロイ兄さん、そんな小さい頃のコトまだ覚えてたの!?」 「あ、ボク乗っけたげようか、姉さん」 「え? いいの? じゃなくてロイ兄さん! そういう昔話を不意打ちしないで!」 「アルー! おまえ俺を裏切る気かー!?」 「ははは、鋼のとを見たら、不意に思い出したんだよ」 「だって乗せるくらいならボクだってやってあげれるし・・・姉さんにはお世話になってるから」 「・・・よーく判った。アル、今日からおまえも俺の敵だ!」 「ちょ、エド君何云ってるの!?」 「はははは、若いねえ鋼の」 「大佐が変なこと云いだすからですよー!」 「思い出したんだからしょうがないじゃないか」 「黙ってればよかったじゃない黙ってれば!!」 「ていうか姉、いつまでもこんな奴の家に世話になるな! 絶対そのうちなんかされるぞ!!」 「え? 何かって・・・」 「こら、鋼の。人を危険人物みたいに云わないでくれないか」 「思いっきり危険人物じゃねーか!! 姉との年の差考えろ!」 「あの・・・何かって・・・」 「それを云うなら君もとの身ちょ・・・・おわっ!?」 ドゴゴゴゴゴゴゴッ 「鋼の! 床から投石器を造りだすんじゃない、危ないだろう!」 「・・・何かって・・・」 「るっせー! 大砲じゃないだけましだと思え!!」 「ほう、そうくるか。ならばこっちにも考えがある!」 バチッ! ヂヂヂヂヂッ!! ドカーン! 「アホ大佐ー! 火事起こす気か!?」 「安心したまえ、とアル君は責任持って救出するから」 「ふふふふふふふふふ、そーかそーか・・・・・・うおりゃあッ!!」 「おおうッ!? ならば!」 ――周囲で響く爆裂音。 そのさなか、端っこでぽつねんと座ると、とりあえず火の粉が降りかからないようにガードしているアルフォンス。 「・・・アル君」 「何? 姉さん」 「『何か』って・・・何?」 「・・・・・・さあ・・・なんだろうねえ・・・・・・」 「死ね―――――――ッ!!」 「それはこちらのセリフだ!」 「とりあえずさ」 「うん?」 「ふたりとも子供だよね」 「うん・・・」 なんでこんな展開になったのかさっぱり判らないと、ちょっと判るけど説明していいのかどうか迷うアルフォンス。 とりあえず、ふたりが判っていることと云えば。 国家錬金術師は三人どころか二人揃うだけで、街ひとつ壊滅させられそうだということだった。 |
こんなノリが国家錬金術師の日常だったりしたら、 かなり皆さん微笑ましく見守ってくれていそうです。自分に火の粉が降らないかぎり。 さて肝心の主人公さんの身長ですが。エドの全長より3.5センチ低いという管理人設定です。 身長、じゃなくて、全長、なのがポイント。頑張れ男の子! |