Episode29.
血の池と化していた小屋内。
戸や窓は閉まっていたが、鍵はかかっていなかっため侵入は容易だった。
そのなかで、ひとり無事だった。
血まみれの、荷物らしきものを漁ってみたら、ハンターライセンス。予想通りの賞金首ハンター。
――以上、現地状況。
目覚めた後、迫る手のひらに怯えた。
但しそのときはそれだけ。
――以上、追加情報。
知った顔だからか。
恐怖が足りないからか。
命の危険を感じるほどではなかったからか。
推測はついている。
開かれたという精孔と、子供ではなしえぬ惨劇。結びつける答えは『念』。
念の発動は精神状態に大きく左右される。
訓練もしていない子供ならばなおさら。
ゆえに。
状況を当時に近づければ、発動の可能性も高くなろう。
――以上、考察終了。
精神が壊れる可能性は高い。
――蛇足か。